ホニホガ咲ヒテ

今年2022年はコロナ巣ごもりがようやく緩和し、ねぶた祭りや阿波踊りなど全国の有名なお祭りをはじめ、
各地の小さな、ほとんど地元の人たちだけが楽しむためのイベントもあちこちで3年ぶりで復活した。
こうした小さなお祭りにふらりと立ち寄り、思いがけずいいものに出会えることがある。
無料で振舞われる浜焼きにつられて福島県浜通りの小さな町を訪れた時のことである。
特設ステージでは一日中、よさこい演舞や自転車を使った曲芸などがかわるがわる行われていた。
若い美人民謡歌手の沢田藍さんのステージもその中の一つだった。
一週間前に相馬盆唄大会の4代目王者を勝ち取ったという現役JKの弟子も一緒に歌っていた
しかし、私の「いいもの」というのはそのことではない。
トランス状態になった女性が一人、客席で一心に踊り続けていたことである。

出番を終えて露店を渡り歩き、焼き鳥かなにか頬張っていた弟子のJKをその踊っていた女性が目ざとく見つけ、
話しかけている場面に運よく遭遇することができた。
コロナで過去2年間どこの盆踊りにも参加できず、唄を聞いたら体が勝手に反応していたということで、
非常に喜んでおられた。

民謡というと演歌の極右派閥のようなものと思われている方が多いかもしれない。
しかし彼女らのステージに演歌感は微塵もなく、土地の歌い方で正しく伝承しようというスタイルであった。
日本音楽の一ジャンルというよりは民族音楽として扱われるべきものなのであろう。
これからはイベントも徐々に復活し、各地でまた思いがけず民謡に出会う機会があるかも知れない。
また歌声が宿している土地の記憶を味わうことができるだろうかと願っている。

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